「都道府県の社会保険委員会連合会の健全な育成及び会員相互の連絡調整を図り、もって社会保険事業の円滑な運営に寄与する」目的を達成するため、全国社会保険委員会連合会は次の事業を行っています。
- ●社会保険委員会連合会及び委員会への助言及び支援
- ●委員活動の向上のための会議、研修等の開催
- ●社会保険制度及び社会保険委員制度の普及、広報宣伝
- ●社会保険制度及び社会保険委員制度に関する調査研究
- ●厚生労働省・日本年金機構・全国健康保険協会及び関係団体が実施する事業の支援
- ●社会保険に関する情報及び資料の提供並びに出版物の発行
- ●その他必要とする事業
「年金シニアライフセミナー」開催の目的
年金シニアライフセミナーは、定年前のサラリーマン、特に中小企業に勤める従業員、すなわち厚生年金保険の被保険者及びその配偶者を対象に年金制度を中心とした社会保険全般の知識、退職後の生きがい、家庭経済及び健康の維持増進等に必要な知識を提供し、充実したシニアライフを送れるよう参加者自身に考えていただくものです。
当プログラムは、また、年金を中心とした社会保険制度の周知広報に役立つとともに、従来からの企業に依存した、いわゆる会社人間から脱した新しい時代に合った企業人育成プログラムでもあります。
「令和7年度年金シニアライフセミナー」開催結果
令和7年度年金シニアライフセミナーは、令和7年6月26日長崎県対馬市を皮切りに令和8年2月13日長野県長野市まで24都府県54会場で開催し、1,913名の方々に受講いただきました。
受講いただきました方々からは、
「年金はわからない点があったのですが、明確になりました」
「今後のライフプランを考える参考になりました」
「お金に対する不安から、見える化で使えるお金ができると安心できると感じた」
「生きがいとライフプランの講義が大変参考になりました」
「こんな貴重なお話を伺えるならもっとたくさんの皆様に参加いただきたい」などの感想をいただきました。
「年金シニアライフセミナー」実施内容
| テーマ |
内 容 |
| Ⅰ、年金・医療保険 |
◆社会保険制度の仕組みと手続き
①社会保険制度の概要
②シニアライフの生活を支える年金制度 |
| Ⅱ、生きがいとライフプラン |
◆生きがいとライフプランについて
①生きがいのある生活とは
②生きがいを築くために
③ライフプランはこれからの生活の羅針盤 |
| Ⅲ、家計経済プラン |
◆家庭経済について
①これからの家計プランの考え方と長期家計プランの作成方法 |
年金シニアライフセミナー」講義事例(令和4年度)
東京都年金シニアライフセミナー
令和五年二月三日、東京・市ヶ谷で開催された「年金シニアライフセミナー」は、六十歳前後の人を中心に、約65名が参加しました。
講師は活性化セミナー研究所の大橋正一さん。講演は「社会保険制度について」「生きがいとライフプラン」「六十歳からの家計プランの作り方」の三つのテーマで、休憩をまじえ詳しく丁寧な説明で進められました。
最初のテーマとなった社会保険制度については、特に年金制度の仕組みを丁寧に取り上げました。「ねんきん定期便」の確認の仕方といった基本的な話から始まり、「年金の繰り上げ支給・繰り下げ支給」とはどういうものかを、注意すべき点を踏まえながら説明。また、厚生年金における「加給年金」や「振替加算」といったワードの解説や、「在職老齢年金」とはどんなものかなど、年金の受給開始前に知っておきたい制度に関しても丁寧な解説が行われました。
さらに、大橋講師はやや複雑な遺族年金にも触れ、遺族年金を受けられる条件、子がいる配偶者が受けられる遺族年金の額、子のいない妻が受けられる遺族年金の額、遺族年金と老齢年金の支給の仕組みはどうなっているかなど、細かい条件ごとに説明された。受講者からは、「年金制度のことはだいたい分かっていたつもりでしたが、知らなかったことがまだまだあることに気付きました」との感想が聞かれました。
次に退職後の雇用保険に関して説明があり、六十歳以上で再雇用などで働き続ける人に向けた「高年齢雇用継続給付」に関して詳しく解説されました。また、退職後の医療保険にも言及。再就職する場合は再就職先の医療保険に加入できますが、再就職しない場合は国民健康保険にするか、二年間限定で健康保険の任意継続被保険者になるか、家族の被扶養者になるか、いずれかの選択が必要であるとの説明がありました。
二つ目のテーマ「生きがいとライフプラン」では、定年後の生活を考えるときに漠然と浮かび上がる「心配」の数々を一度洗い出してみましょうという提案からスタート。大橋講師は「まずは健康とお金。ほとんどの人がこの二つを最初に挙げるのではないでしょうか。そのほかの心配は人それぞれ、千差万別だと思いますが、大きく分けると四つになります。この四つはどういうものであるか説明していきましょう」と話されました。一つ目は仕事の心配、二つ目は余暇活動(趣味や娯楽)の心配、三つ目は家族の心配、そして四つ目は地域社会に関する心配があるとのこと。大橋講師は、それぞれの心配の具体例、受け止め方、対処法などを、アドバイスを交えながら詳しく説明しました。
最後に「六十歳からの家計プランの作り方」の話がありました。これは、将来の出来事や見込まれる収支を書き出してわが家の今後の家計運営を考えるものですが、フォーマット化された記入用紙にどのように書き込めばよいのか、記入例が書かれた用紙を見ながら、項目ごとに一つひとつ説明されました。受講者からは「内容が具体的で老後をイメージできました」「家計プランの作り方も、ライフプランの考え方に関しても、具体的な方法論を教えていただき、大変参考になりました」といった感想が多く寄せられました。
福岡県年金シニアライフセミナー
令和五年一月二十四日、福岡・天神で開催された「年金シニアライフセミナー」は、五十代を中心に十六名が参加しました。
講師は活性化セミナー研究所の緒方逸郎さんと、特定社会保険労務士の猶嵜(なおざき)博子さん。緒方講師は、「生きがいとライフプランについて」「家庭経済について/健康生活について」をテーマに、猶嵜講師は、「社会保険制度の仕組みと手続きについて」をテーマに講演を行いました。
まず緒方講師の「生きがいとライフプランについて」からスタート。定年が見えてくる五十代の受講者に向けて、退職後の生活に関して役立つ提案やアドバイスを行いました。
緒方講師は一枚の図を提示。中が四分割された大きな二重丸の下に、水平に引かれた線があり、その線の下に小さな丸が二つ並んでいます。「この線の下の二つの丸の中には、それぞれ健康、お金という言葉が入ります。その上の四分割の中には、それぞれ仕事、余暇、家族、地域という言葉が入ります。いずれも多くの人が抱えているであろう心配事で、合計で六つになります」と説明しました。
「仕事」の心配について、緒方講師は年齢を重ねるにつれ、続けたくても仕事が見つからないことも増えてくると話しました。そこで大切になるのは、自分の物差しを持つこと。「何がしたいのか」「何ができるのか」「何にこだわるのか」の三つの物差しを明確にして仕事を探すべきだと提案しました。
次は「余暇(趣味)」について。仕事をやめて年金生活に入ると、たくさんの自由時間ができます。その時間を有効に使う手段として、趣味を持つことが大事だと話しました。趣味とは呼べないまでも「好きなもの」「関心あるもの」を増やすだけでも、日々の暮らしが充実してくるそうです。
「家族」に関しては、夫や妻、子供、親などに対して、それぞれに、それなりの心配事はあるもの。例えば夫や妻との関係は、子育てをしながら家のローンを払って、お互いに協力し合いながら懸命に働いていた頃とは明らかに変わってきます。定年後を見据えて、日頃の会話をはじめとするコミュニケーションを大切にして、お互いを理解する関係を新たに築くべきだと緒方講師は話しました。親の介護の問題は、ひとりで解決しようとせず、兄弟や身内の力を借りながら、公的機関もうまく利用して乗り切ることが大切だとアドバイスしました。
四つ目の「地域」とは、地域社会との関わりのこと。退職すると人と会う機会は激減し、生活の中心が自宅のある地域社会になります。このとき、地域の中に気軽に会話ができる知り合いや、一緒に遊べる友人や飲み仲間がいないのは非常に寂しく、不安になるもの。そうならないよう、会社勤めをしているときから地域の祭りや行事に参加したり、自治会のイベントに顔を出すなどの関わりを持っておくべきだと緒方講師は話しました。
これら四つの「心配事」は、実は「生きがい」と言い換えることもでき、心配事と生きがいは表裏の関係にあると緒方講師は説明しました。人が暮らしていくには、仕事や地域といった社会的側面と、余暇や家族といった個人的な側面の両方が必要不可欠です。そして、これらを下支えしているのが健康とお金であること。最初に提示した図は、この関係性を表したものでした。
さらに、お金の心配事を解決方法の一つとして、将来にわたる家計の収支を見積もる「60歳からの家計プランの作り方」に関して、記入例が書かれた用紙を使って丁寧な説明がありました。受講者からは、「家計プランの作成に興味を持った」「ぜひこの家計プランを生かして定年後の準備を進めたい」という声が多く寄せられました。
年金シニアライフセミナー」アンケート結果(令和7年度)